オイタの罰に時効はありません

最後に登場する典子さん(75歳・主婦)の体験は過去にさかのぼる。

昭和50年代、彼女が40歳を過ぎた頃の話だ。

「子どもも手を離れ、味気ない毎日が続いてました。もともと器量自慢で、若いころから男性受けはよかったのです。それで、ちょっとオイタでもしようって気になりまして。でも、世間体も大事ですから、秘密厳守できる安全な相手じゃないと」

そこで目をつけたのが、なんと交番の巡査。

家庭巡回がまめに行われていた時代で、ねぎらいにお茶をだすくらいは普通だったとか。

「だんだん色っぽい話に持っていき、誘えばイチコロでした。よく利用したのは、当時流行りだった同伴喫茶というところ。アベック専用に仕切られた喫茶店で、狭くて真っ暗な中、男女がキスしたり触りあったり、秘め事をするんです」

典子さんの目的はセッ○スというより、男性を夢中にさせることだったそう。

相手も立場上かなり慎重で、駐在任期が終われば交際もそれまで。

次に赴任してきた人とも同様の展開に。

しかし、3人目の巡査が、予想以上に典子さんの虜になってしまった。

「地方から上京したての純朴な人で。好きだ、辞職する、妻子を捨てるだの一緒になりたいのと、ずいぶん手を焼きました。求愛は8年続き、私もほだされて、途中で体の関係をもった。50代半ばに、私が大病してことでつきあいは終わりましたけど」

そこから年月は過ぎ、典子さんが古希を迎えた頃のこと。

ある午後、同居している長男の嫁が典子さんに来客を告げた。

玄関に出ると、60歳前後の女性が立っている。

「典子さんですね、と聞かれて、ハイと返事をしたら、いきなり往復ビンタ『よくも夫を』『許さない!』と叫ぶその人は、私への恋に狂ったあの巡査の妻だった」

20年前に別れた彼は、1ヶ月前に病死したのだという。

遺品の日記に、典子さんとの関係や8年に及ぶ思いが克明につづられていたらしい。

巡査婦人の怒りはそれだけではおさまらなかったようで、その日行こう、洗濯物を切り裂かれたり、無言電話がかかってきたり。

家の塀に「アバズレの家」「死ね」「地獄に落ちろ」とスプレーで落書きをされたこともあったという。

「息子夫婦が警察に相談して、塀を塗り替え、防犯カメラを設置し、騒ぎはおさまりました。でも、当然ながら、穏やかな老後は、肩身が狭く息苦しい毎日に一変です。落書きは、若いお嬢さんが書いたように見えた。彼の娘さんだったのでしょう。」

オイタの罰に時効はありません。と口にした典子さんに対しては、私はただうなずくことしかできませんでした。

4人に共通していえるのは、夫や周囲に知られぬよう、最大限の注意を払っていたということ。

それでも運命のいたずらで、浮気が露見してしまう事態は避けられなかった。

人生に”絶対”はない。

秘密の恋と危険は常に背中合わせだということです。

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